会社経営

経営者や不動産オーナーを取り巻く親族間紛争

この記事を書いたのは:乙井 翔太

 事業承継税制が制定されてから久しいですが,同税制を利用するため,今後,ますます事業承継対策が必要となってくると予想されます。

 そうした場合,問題なく事業承継が済めばよいですが,むしろ何も対策を取らずにトラブルとなるケースが散見されます。 

 例えば,

 ①経営者や不動産オーナーに相続が発生した場合,株式や不動産が共有状態となっていまい,相続人同士で揉めて意思決定が困難となって事業の舵取りができなくってしまうこと

 ②経営者や不動産オーナーが遺言書を作成し,後継者に対し株式や事業用財産を承継させたは良いものの,他の相続人から遺留分侵害請求がなされてしまうこと

 ③そもそも遺言書が無効となってしまうこと(要件を充たさない自筆遺言の作成や認知能力に問題があったこと)

 ④経営者や不動産オーナーの配偶者が離婚と財産分与(株式や不動産)を求めてくること

 ⑤経営者が不倫してしまい不貞相手との間に子が生まれて認知請求を受け,相続時に紛争が生じる可能性があること(また養育費請求や不貞慰謝料請求への対応)

 ⑥後継者に想定して養子にした娘婿が娘と離婚する可能性があり,事業を承継させることを再考せざるをないこと,また,その養子が従業員である場合に解雇できるかどうか

 ⑦事業承継対策を取らぬまま経営者や不動産オーナーが認知症などで意思能力が無くなってしまい,後見制度を利用せざるを得なくってしまうこと。

 この他にもトラブル芽は枚挙にいとまがありません。

 事業承継にあたってはビジネス法や税務の理解はもちろんですが,何よりも親族相続法の知見が重要です。弊所は,街弁として,相続,遺言,離婚・離縁,後見など業務に携わっており,親族相続法の知見を日々駆使しています。経営者や不動産オーナーからのご相談はもちろん,その親族からのご相談にも対応させていただいておりますので,お気軽にご相談ください。


この記事を書いたのは:
乙井 翔太