離婚問題

弁護士がわかりやすく教える!面会交流調停のすすめかた

この記事を書いたのは:福島 宏美

離れて暮らす親と子との交流を面会交流といいます。

このサイトでも面会交流をテーマに何度か取り上げていますが、今回は、面会交流の調停についてお話します。

面会交流調停(子の監護に関する処分(面会交流)調停)は、家庭裁判所で面会交流について話し合う手続です。

申立先は、相手方の住所地の家庭裁判所や当事者が合意で定めた家庭裁判所です。

申立書の書式や詳細は、裁判所のホームページをご確認ください。

https://www.courts.go.jp/saiban/syosiki/syosiki_kazityoutei/syosiki_01_30/index.html

申立書を家庭裁判所に提出すると、裁判所が申立書を確認の上、初回の期日の連絡を申立人と相手方に行います。

調停では、調停委員が、申立人に、申立てを行った理由や、それまでの面会交流についての状況などのお話をお聞きします。そのため、初回の期日までに、申立書に記載した内容以外のこれまでの経緯や状況などを整理してまとめておくといいでしょう。まとめるポイントは、①別居した経緯(どちらが出て行ったのか、なぜ出ていくことになったのかなど)、②別居後のお子さんとの面会交流の状況(まったく会えていないのか、会えている場合はその頻度や内容について)、③今後の面会交流についての希望条件(頻度、時間、場所など)をまとめて頂くと良いでしょう。

調停委員は、申立人、相手方と交互に話を聞いていきます(基本、別席なので、申立人と相手方が同席の上調停を進めることはあまりありません。)。その上で、調停委員において、面会交流の実施や実施条件について、双方の意見を踏まえ合意に向けて、双方の対立点はどこか、お互いに譲歩していけないか、を調整していきます。

調停の中で、「とりあえず~の条件で次回期日までに実施してはいかがでしょうか」などと、次回の期日までに、面会交流の実施を促されることがあります。日程の調整や、時間、場所について、実施が可能であれば、実施されることをお勧めします。調停委員も、最終的な合意に向けて、どのような条件であれば実施が可能なのかを確認し、その後の調整に生かしたいと考えているので、可能な限り実施した上で、その後の話し合いに臨まれることをおすすめします。

とりあえずの条件で面会交流の実施ができた場合、次の調停期日において、調停委員に、実施の内容、お子さんの様子などをお伝えください。「~できてよかった」という感想や、「~というところが課題、問題だと感じた」など、率直な御意見をお話されるといいでしょう。調停委員は、その意見を踏まえ、他方当事者の意見も聴き、今後の面会交流の実施条件や内容等の調整を図っていきます。

実施条件や内容について、申立人と相手方の意見の調整がつかない場合、どのようなことで意見が食い違っているのかを明確にし、調停委員会から譲歩案などを提案されることもあります。

早期解決のために検討されることをおすすめしますが、納得ができない場合は、無理に応じる必要はありません。

調停で調整がつかない場合には、調停は不成立、となり、その後、審判手続きに移行します。審判手続きは、審判官が面会交流の実施及びその条件等について法的な見地から判断し決定を出します。審判が出される前に、申立人と相手方からそれぞれ主張を記載した書面や主張を裏付ける証拠書類等の提出を促されます。自身の主張について、理由や、裏付けの書類等を提出しましょう。また、面会交流についての判断ですので、審判が出される前までに実施した面会交流の実施内容(いつ、どこで、どのように面会交流を実施したか、子の様子はどうだったか)を記載した書面も提出しておくとよいかと思います。そのため、実施したときには、早めに、実施日、実施時間、実施内容、お子さんの様子をメモするなどしておくと後で思い出しやすいので、おすすめです。

双方の主張を踏まえ審判官が審判を出します。

弁護士にご依頼いただければ、相手方との直接の交渉や、調停の申立て、調停期日の出席、調停委員とのやりとりや主張書面の提出等の代理人としての活動を行いますので、お気軽に旭合同法律事務所豊橋事務所にご相談ください。


この記事を書いたのは:
福島 宏美